骨粗鬆症とは
骨がもろくなり骨折しやすくなる病気
骨粗鬆症自体には症状がありません。気付かないうちに骨の量が減ってスカスカな状態になってしまいます。
転んだり尻もちをついたりすることで骨折をしてしまう方もいます。
女性の方はリスク大
骨粗鬆症は、男性よりも女性に多い病気です。
しかし、男性の方でも高齢になるにつれ、骨粗鬆症のリスクは高くなってきます。
当クリニックでは、骨密度測定による「骨粗鬆症」の検査・予防を行っています。
- 閉経後の女性
- ご高齢の方
は、とくに骨粗鬆症になる可能性が高いため、注意しましょう。
加齢にともないリスクが増加する骨粗鬆症
骨密度(骨量)は、男女とも20歳前がピークになります。
その後、加齢にともない骨密度は徐々に減少をしていき、女性は閉経後急激に減少していきます。
上記の年齢を迎えた方は、骨密度測定を受けて骨の状態を知っておくことも大切です。
骨折が起こりやすい部位
骨粗鬆症は、骨折を起こしやすい病気です。
とくに
- 背骨(脊椎)
- 肋骨
- 太ももの付け根(大腿骨)
- 手首(橈骨)
- 腕の付け根(上腕骨)
上記が骨折しやすい部位といわれています。
骨折に気づかないケースも
背骨は、上下から力が加わり骨折する圧迫骨折が起こりやすい状態になります。
しかし椎体骨折の3分の2の方は、痛みも感じない無症状と言われています。骨折していることに気付いていない方は少なくありません。
背骨が潰れてしまう圧迫骨折は、元の形状には戻りません。
骨折を繰り返すと、背骨がまるまったり、身長が低くなったりすることがありますので、注意が必要です。
また、背骨を骨折した後には、太ももの付け根の大腿骨を骨折する方も多い傾向にあります。
大腿骨の骨折は、手術を必要とすることが多く、運動困難になり筋力は低下してしまいます。
その結果、寝たきりになってしまうケースも少なくありません。
そうならないためにも、定期的な検査が重要と考えます。
骨粗鬆症の原因
骨粗鬆症の原因は様々あり、骨がもろくなってしまう要因も幾つか考えられます。
考えられる要因
加齢によるもの
高齢になるにつれカルシウムの吸収率が悪くなっていきます。
栄養バランスを考えた食事をしても、若い頃に比べると吸収される量が減るため、骨がもろくなってしまいます。
閉経をむかえた女性
女性ホルモンは、骨密度を保つ役割を担っています。
しかし、閉経をむかえた女性は女性ホルモンの分泌量が急激に減少するため、骨量も減少してしまいます。
生活習慣の乱れ
喫煙者、飲酒習慣
- 喫煙は、女性ホルモンの作用を減弱(抗エストロゲン作用)させ、カルシウムの吸収を低下させる。
- 過度な飲酒もカルシウムの吸収を低下させる。
生活習慣病の罹患者
血糖値を下げるインスリンには、骨芽細胞を増やす役割がある。
糖尿病の方は、このインスリンの機能が正常な働きをしていなため、骨芽細胞が不足し骨を作る働きが低下する。
慢性腎臓病の罹患者
血液中のカルシウムが不足してくると、それを補うために骨からカルシウムが溶け出してしまい、骨量が減少する。
過度のダイエット
骨量のピークを迎えるのは20歳前後の時期。
成長期でもある10代に過度のダイエットをしてしまうことで、カルシウムなどの栄養素が不足してしまい、骨が弱まる傾向にある。
成長期に骨量が十分でない場合、閉経後の骨粗鬆症リスクが高くなる。
遺伝
母親が骨粗鬆症に罹患している場合、娘も骨粗鬆症になるリスクが高い傾向にある。
食事をはじめ、生活環境や身体の特徴が類似していることから、骨密度も類似しているといわれている。
骨の健康度チェック
あなたはいくつ核当しますか?
チェックリスト
- (女性)閉経を迎えている
- 70歳以上である
- 家の中で過ごすことが多い
- どちらかというと細身の体型である
- かかりつけ医に生活習慣の乱れを指摘されている(飲酒・喫煙・運動不足など)
- 背中が丸くなってきた気がする
- 身長が低くなった気がする
- 過去に糖尿病や消化管の手術経験がある
- 身内に骨粗鬆症の罹患者がいる
上記に当てはまる項目の多い方は、一度、ご相談ください。
当クリニックでは、
- 閉経後の女性
- ご高齢の方
に、定期的な骨密度の検査を推奨しております。
できれば1年に1度が理想ですが、2〜3年に1度は受けるようにしましょう。
骨密度検査(骨密度測定)
骨密度とは
骨密度は、骨の中のカルシウムやミネラル量を示す数値で、骨の強さを判定する指標となります。
基準値
成人(20〜44歳)の平均基準値を100%とし、どの程度基準値から離れているかを調べます。
基準値よりも低い場合、100%以下の値が算出されます。
測定・検査方法
骨密度測定装置「HOLOGIC社のHorizon」を導入
当クリニックでは、『日本骨粗鬆学会ガイドライン』で推奨されている骨密度測定装置を用いた検査法を採用しています。これはDEXA法(Dual-energy X-ray absorptiometry)と呼ばれ、骨密度の検査に最良な腰椎(腰の骨)と大腿骨頚部(股関節の骨)に、2種類のX線を照射して測定する方法です。
これまで主流であった手の骨で測定する骨密度検査(超音波法・MD法・CXD法など)と比べても、より重要で精度の高い結果を得ることができます。世界中の骨粗鬆症ガイドラインでも基準測定器として定められています。
DEXA法の特徴
身体への負担が少ない
検査時は、撮影台に横になっていただくだけです。体勢を変える必要もありません。また、痛みのある検査ではありませんのでご安心ください。検査自体も短時間で終了します。
X線による「被ばく量」に不安を覚える方もいらっしゃいますが、胸部レントゲンと比べると1/6程度の量です。極めて微量な検査であるといえます。
検査結果が分かりやすい
測定値は、年齢別の平均値との比較で表示されます。今後、再検査をされる際は、過去のデータと比較しながら骨密度の変化を確認することができます。
検査のながれ
まずは、患者様のお体の動きをチェックします。
事前に検査内容を患者様にご説明したあとで、検査を実施していきます。
※ 検査の際に、お着替えは不要です。(アクセサリー類は外していただきます。)
検査時間について
検査にかかる時間は人それぞれ異なりますので、お時間に余裕がある際にお越しください。
※ 実際に腰椎と大腿骨それぞれの測定時間は約30秒ずつです。
※ 測定から解析まで、おおよそ15分程度で完了します。
骨粗鬆症の治療
治療薬の処方
骨粗鬆症治療では、主に薬物療法が行われます。お薬で、骨密度の低下を防いでいきます。
骨粗鬆症のお薬には、
- 骨を作る働きを高める
- 骨を壊す働きを抑える
- 骨の作り替えのバランスを整える
以上、3つの種類があります。
患者様の状態に合わせて処方いたします。くれぐれも自己判断で治療を中止しないようにしましょう。
日々の生活習慣の見直し
骨粗鬆症自体は症状がないため、定期的な検査が極めて重要です。
治療によって骨密度が上昇しても、治療を中断することで再び骨密度が低下してしまう可能性もあります。
骨密度の低下や骨質の劣化を継続的に予防するためには、食事療法、運動療法も取り入れて、生活習慣を見直すことも重要です。
運動不足解消のメリット
- 運動をすることで、骨を作る働きは活発になる(骨芽細胞の活性化)。
→ 長年の運動不足は骨を作る働きを低下させ、丈夫な骨を作れなくなる。 - 適度な運動を継続することで、転倒予防や骨折予防の効果が期待できる。
強い骨を維持していくためには、毎日の積み重ねが大切です。
骨粗鬆症マネージャーが在籍
当クリニックには、骨粗鬆症に関する専門資格を保持したメディカルスタッフも在籍しております。
骨粗鬆症について不明なことがありましたら、お気軽にご相談ください。